老籾 千央 Chihiro Oimomi(経営コンサルティング)
「誰かに伝えるための旅を続ける日々は、サミットで出会った価値観の延長線上にある」
老籾千央さん/経営コンサルティング会社勤務
第3回北海道、第4回飛騨高山、第5回京都に参加
Q:サミットに参加したきっかけや目的は?
A:参加のきっかけは、サミットを主宰する先輩に開催情報を教えてもらったことでした。幼少期からエコクラブに入ったり、林業高校で学んだり、大学でも森林科に進んだり・・・京都の森に触れる機会に恵まれていた学生生活の一方で、「他の産地を知り、比べると、その場所の魅力が分かるよ」とアドバイスをもらう中で、サミットへの参加に至りました。よって、サミット参加の目的は、色々な林業産地の森と人に出会い、日頃通っている森の特徴を知ることでした。
Q:サミットに参加した感想や成果
A:私が初めて参加したのは、北海道で開催されたサミットでした。初めて見る北海道の森。といっても広いのですが、訪れた森は平地が続き、笹とトドマツの景色が広がっていて、まるで絵本の中の世界に飛び込んだように心が落ち着く森でした。少ない知識から、林業=杉・桧と思い込んでいた視界が少し広がり、”他産地を知ることで、日頃見ている産地の面白さがわかる”と確信した出会いでもありました。
多様性とは森林の姿に限らず、施業した人の技術や言葉、森から派生した木を活かす文化、山の恵みをいただく食、そして生業が絡み合って、オリジナリティが育まれてきたということ。元々、歴史や旅が好きだったのですが、森を旅することが、それまで以上に楽しくなりました。
さらに、サミットの魅力は同世代の森好き・林業好きと共に産地を巡るところにもありました。参加者の方々と共に感想を伝え合うことで、感動を分け合ったり、違う価値観に気付かせてもらうきっかけをいただきました。特に学生の頃は、学びとは自分のためのもの。それまでは、人に感動を伝える言葉を意識したことがありませんでした。しかし、感想を言い合ったり、訪れた場所の魅力を知人・友人に話す機会が増えると、自ずと表現力を養いたいと思うようになりました。「自分のためだけの旅」から、「次の誰かに伝えるための旅」をしようと、元々大好きだった”旅”の目的が徐々に変化し始めました。
現在は、社会人となり、日本の林業産地のブランド化を行う仕事に携わっています。お仕事柄、色々な産地に出張させてもらう機会が増えました。「誰かに伝えるための旅」を続ける日々とは、サミットで出会った価値観の延長線上にあるとも思います。
Q:今後サミットに期待すること
A:”ただ自分が楽しい”から、一歩先の旅へ。サミットには、誰かと楽しさを分かち合ったり、違う価値観の人へ伝える気付きをもらったり、そんな機会に恵まれていると思います。だからこそ、「誰にお土産話を持って帰ろうかな?」と、旅をした後にも想いを馳せながら、林業産地を巡る人が増え、森が好き、林業がカッコいい、楽しい!と語ることが「フツウ(当たり前)」になるような価値観が広がるキッカケになることを願っています。
Q:あなたの林業ビジネスを教えてください
A:林業にマーケティング視点を取り入れることで、山村地域の「価値創造」を目指し、林業産地をブランディングする仕事に携わっています。
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